20/08/29 直江津の海を見に行った話

 

こんにちは。暑い日が続いて大変ですね。

先日、暑さに耐えかねて自転車で直江津の海を見に行きました。

どうせ汗をかくなら、外で運動しながらの方がまだ許せる気がしたので。

 

直江津といえば古くからの日本海側の交通の要所であったそうです。直江兼続とも縁の深い場所ですし、一度は行ってみたいと思っていました。

 

 

日本海は荒々しいというステレオタイプに引っ張られただけかもしれませんが、迫力のある波しぶきを見て楽しかったです。

 

そんな直江津の海を見に行く途中で「安寿と厨子王の供養塔」を見つけました。説明文を読むまで誰かわからなかったのですが、森鷗外の『山椒大夫』で有名な「安寿と厨子王丸」伝説の一場面で出てくるとのことでした。

 

森鷗外は『舞姫』しか読んだことがなく、そのイメージでなんとなくいけ好かないと思っていたのですが、何かの縁だろうということで『山椒大夫』を読んでみることにしました。

なんとなくハッピーエンドですが、厨子王は自分たちをこき使い、姉が死ぬ原因となった山椒大夫と三郎を絶対許さないというほどの執念はなく、どこか甘えのあるところに『舞姫』の印象と重なりすっきりしませんでした。年齢を考えると仕方のないことだとは思いますし、厨子王から見た山椒大夫はただの悪人ではなかったのかもしれません。書かれた時代柄、資本家が労働者の苦労の上に富み栄えるのは当然だということもあったかもしれません。

それにしても、原作を変更し安寿を自殺したことにさせた鷗外の意図がよくわかりませんでした。典拠が複数あって、民間の伝説以外に外国の文学などの影響があったのかもしれませんが、相変わらず鷗外はちょっと性に合わない気がしてしまいます。

 

 

ちょっと悪口が多くなってしまいました。

 

山椒大夫の話はこれぐらいにして、最初の話ですが、なんとなく大体の行き先だけ決めて旅をするのは結構楽しいことが分かりました。

東京だったら歩きでもいいのですが、まあこっちでは自転車がちょうどよいかもしれません。大人数での旅行や県境を跨ぐ移動はできませんが、ローカルな旅とそこでの出会いを今後も大事にしていきたいと思いました。

また、直江津は古くからある街なので安寿と厨子王のような伝説にも登場するのでしょうが、全国的に見ると自分の地元が登場する物語はない地域も少なからずあるのでしょうか。自分の生活体験と重なる文学体験や知的体験に出会うことは学びへの架け橋になると思いますし、地域の魅力を掘り起こしていきたいですね。